「産まれてくる子供は、聖によく似たかわいい女の子だったらいいな」

僕は言った。

「私は、春ちゃんに似た男の子がいい。

女の子だと、絶対にヤキモチを焼いちゃうから」

そう言った聖に、僕は笑った。

「じゃあ、1人目は聖に譲るよ」

そう言った僕に、
「もしかして、2人目も作ろうって?」

聖が聞き返してきた。

「お前がその気ならの話だけど」

そう言った僕に、聖は恥ずかしそうに顔を赤らめた。


その日の真夜中だった。

「――海、春海」

聖の声で、僕は眠っていた目を開けた。

「――どうした、具合が悪いのか?」

僕の質問に聖は何も言わなかった。