「――聖が…僕と出会う前の過去。

それがお前を傷つけることになるかも、知れないのにか?」

僕たちの間に沈黙が流れた。

先に破ったのは、
「――わかった…」

聖の方からだった。

僕はそらしていた目を聖とあわせた。

「春ちゃんが知りたくなったんだったら、話すよ。

春ちゃんと出会う前の、私の過去」

声が震えているのは、思い出したくないからだろう。

ずっと封印してきた自分の過去を、今から僕に話をする。