「――聖…」

余裕のない顔で、春海が私を見下ろしてきた。

ポタリと、彼の躰から流れる汗が私の躰に落ちた。

それにも感じて、私の唇から声がこぼれ落ちた。

乱れる吐息。

刻まれる躰。

それは全て、みんな私のものになる。

私のものとして、全て記憶に埋められる。

「――はる、み…」

「――聖…」

名前を呼ばれたのと同時に、私の耳に春海の唇が触れた。

「――愛してる…」

彼がささやいたその言葉も、記憶に刻まれる。