縁を切られるなんて、誰が予想していたことだろうか。

「2人分を養う金ならあります。

それなりの地位にもついてますから。

あなたがいなくても、大丈夫ですから」

僕が口を動かすたび、奈津子おば様の顔が蒼白になって行く。

「僕は聖がいれば充分ですから。

それ以外は何もいりません」

僕が言い終わるのを待っていたと言うように、奈津子おば様はうつむいた。

「――一体、何が気に入らないと言うのですか…?」

聞こえてきたのは、消えてしまいそうなくらいの小さな声だった。