その瞬間、奈津子おば様は目を見開いた。

「宅配業者を装って、聖を襲う――バカらしいのもいいところです」

呆れたように言った僕に、奈津子おば様は目を伏せた。

「僕と聖を引き離す作戦――聖がキズモノになってしまえば、僕は離れる。

考えがバカバカしくて笑えないです。

そんなに僕と谷川さんとか言う人を結婚させたいのかと思うと」

奈津子おば様は、目を伏せて黙ったままだ。

この人は、黙っていれば全てが解決するとでも思っているのだろうか?