つかんでいる腕に力を入れて握りしめると、
「――イッ…!」

男はうめき声をあげたかと思ったら、大人しく地面に座り込んだ。

僕は腕をつかんだまま、座っている男を見下ろした。

大人しくなったからと言って、油断はできない。

力をゆるめた瞬間、振り払って逃げる可能性だってある。

「今ここで、選択しろ」

男を見下ろしながら、僕は言った。

「このまま大人しく警察に捕まるか僕に全てを話すか、どっちか1つだ」