「誰に頼まれてこんなことをしているんだ?」

僕が質問をしているのに、男は答えられないようだ。

「――クソッ…!」

男はそう呟くと、キレたように小包を地面にたたきつけると逃げ出した。

「待て、話はまだ終わってないぞ!」

すぐに僕は非常階段へ走ろうとした男の腕をつかんだ。

「クソッ、離せよおっさん!」

つかまれた僕の手を振り払おうと、男は暴れて抵抗を始める。

「お前の話が終わってからだ!」