あの人たちは春海が嫌っている人で、私がうっとうしいと思っている人だ。

いつも春海を困らせるから嫌いだ。

春海に“結婚”を勧めるから嫌いだ。

ピーンポーン

そう思っていたら、もう1度チャイムが鳴った。

ほっとけば、帰る…よね?

そう判断して、私は待つことにした。

チャイムを鳴らしたその人が帰ってくれることを待つことにした。

早く帰って、私は春海を待っているんだから。

あなたじゃなくて、春海を待っているんだから。