「私、來玲乃みたいな家の子になるのが夢だったんだ…」




私はポツリとつぶやいた。




「だからね、來玲乃のことがすっごくうらやましくなっちゃって…そしたら、今度はちょっと憎くなって…私、最悪だなぁって」
「そんなことねぇよ」




私のことをギュッと抱きしめてそう言った。




「俺だって思ったし…それに、きっと來玲乃だって分かってると思う。だから、最悪とか言うなっ」
「…ごめんね」




そう言って、私は斎にキスをした。




斎はすごく驚いてるみたいだった。




「桐葉?」




「大好きだよ、斎!」




斎はすごく、嬉しそうだった。



だから、私もすごく嬉しかった。




來玲乃に言われたんだ…