「ところで紗依、何番だった?」
美奈ちゃんが紗依ちゃんの持っている紙を覗く。
「あ、うん、3番だった!」
その2人のやりとりに目が点になっていると、
「1日目のハイキングコースはね、
班に分かれて行動するんだって」
と私に向かって紗依ちゃんが話しかける。
続けて
「その班っていうのが男女混合の班で、
男女それぞれ何人組か作ったら、
くじを引いて番号が一緒だったとこ同士
同じ班になるってわけよ!」
と茜ちゃんが胸を張って説明をしてくれた。
「もう、香乃子全然聞いてなかったんだね」
なんて言って美奈ちゃんが言うと3人ともふふっと笑った。
「もう、香乃子可愛いなぁー!」
と茜ちゃんに頭を撫でられ、
急に恥ずかしくなる。
「そんなことないよっ!」
私の周りに人がいるという状況にまだ慣れてなくて、
それに色々わからない感情とかがぐるぐるして
最近私はよくぼーっとしてしまう。
だからなのか私はこの4人の中では
少し抜けてる子になりつつあって、
本来の私とは全然違うのにという
心苦しい気持ちと
このままならキツい物言いがでなくて済むという
安心感があった。