――「……子、香乃子!」


私の目の前で机に手を置いた茜ちゃんに

名前を呼ばれはっとする。


「え、茜ちゃん……?」


「さっき先生が女子の4人組は2つだけって

言ってたからささっと香乃子も

同じグループとして黒板に名前書いちゃったけど、

よかったかな?」


今は今日最後の授業、

担任によるLHRだ。


「何のグループ?」


私が率直な疑問を口にすると、


「香乃子話聞いてなかったでしょ?」

ふっと優しく笑った美奈ちゃんが

茜ちゃんの横に立つと

私の机の上にあったプリントにトンと指を置いた。


「えっ?」

私は美奈ちゃんが指さしたそのプリントを見ると


『1泊2日宿泊研修』


と書かれていた。