「私も仲良くなりたいなぁ」
と言われて
「榛名紗依です。
よろしくね!
山田さんのこと、
香乃子ちゃんって呼んでもいいかな?
私のことは紗依って呼んでくれたら嬉しいな」
お人形みたいにくりっとした目と
ふわふわの髪から癒し系オーラが溢れている。
名前で呼んでもらえるなんて、
急激に近づいたクラスメイトとの距離に
なんだか夢を見ている気分になった。
「はい、よろしくお願いします!」
私がそう答えると
立川さんが
「敬語じゃなくていいんだよー!
同い年だしねっ。私のことは茜って呼んで!
私からは香乃子って呼びたい、いいかな?」
また下の名前で呼んでくれて
嬉しくてつい笑顔になる。
「じゃあ私も香乃子って呼ぶ。
私のことは美奈って呼んでね」
「うんっ!」
久しぶりにこんなに喋った。
嬉しくて自分の声とは思えないほど
明るい声色。
「香乃子ちゃんって、
やっぱり可愛い!」
そんな紗依ちゃんの言葉に照れていると
昼休みが終わってしまった。
私はみんなが席に戻ると、
幸せな気分のまま授業を受けた。