久良伎さんがそう思ってくれたのが嬉しくて

私もつい笑い返すと、


「もうー!美奈ばっかずるい!」

とさらに隣から元気な声が届く。

その声で私は久良伎さんの隣に座っていた子を見た。


「私は立川茜(たちかわあかね)だよ!

私も山田さんってお話したらどんな子なんだろー!?

って思ってたよー!」


とても元気な彼女に

少しびっくりする。


「ほら、茜、山田さんびっくりしてる」

久良伎さんが私の机に身を乗り出してきた立川さんを止める。


「あっ、ごめんごめん!

ふふー、でも何か山田さんのいろんな表情見れて嬉しいなっ!」


そう言ってにかっと元気よく笑った。


彼女は綺麗な黒髪を横で一つに結び、

肌は少し焼けていた。


「あっ、そのぉ……」


『いろんな表情』と言われてしまうなんて、

私が何か変な顔をしていたのかもしれない

と思い恥ずかしくなった。