「じゃあ、ここに座ってもいいかな?」
そういうと
私の席の前の椅子を引き、
笑顔の彼女はそこに腰掛けた。
「糸も使っちゃって大丈夫?」
私はほんわかした声に癒されながらも
「……大丈夫、です。
よかったら好きに使ってください」
なんて、緊張がほぐれなくてがちがち。
「ふふ、ありがとう!」
そういって彼女は針に糸を通し始めた。
あ、無言になってしまう……。
そう思った矢先、
「私もここに失礼っ!!」
さっき一緒にこっちに来た彼女らも
私の周りの席に座った。
「山田さん女子力高いよね」
と大人っぽく私に微笑む子と
その言葉に元気よく頷いてる子。
私は「あっ、えっと……」
なんて挙動不審だ。
こういう時、自分のコミュ力の無さにがっかりする。