昼休みの私の恒例の過ごし方といえば
もちろん読書だ。
そして
教室内での会話に耳を傾けること。
だけど今日はどっちもダメみたい。
私は昨日から1ページも変わらないところに
しおりを挟むと、ふぅと息を吐いた。
相変わらず周りは楽しそうに
賑わっている。
だけどそれはガヤガヤしてることが漠然と耳に入るだけで
実際には具体的に聞きとる気力はない。
ああ、もう嫌だな。。
なんで私こんな惨めで……
状況に我慢できず、
段々と目が潤んできた、時だった。
「あっ、紗依!
鞄についてるマスコット、
頭についてるリボンがほつれちゃってるよ!!」
私の少し前の方で
大きめの声が教室に響いた。