そうだ、
もうこれからはきっと付きまとわれないんだ。
うん、よかったよ。
私だってウンザリしてたんだから。
そう思う気持ちは嘘、ではなかった。
だけど、
また自分の口から出た言葉が人を傷つけ人を遠ざけた。
その事実に気持ちが沈んだ。
間もなくして担任が教室に入ってきて
いつも通りの学校生活が始まった。
そう、私にとってはこっちが日常。
アイツが付きまとってきた日々が非日常。
そう、思いたいのに……。
休み時間、
お互い無表情のまま教室ですれ違った。
その時
昨日香ったアイツの匂いがまたして、
なのに今の私に
それは苦く香った。