「だからこっちが聞きたいわよ」
そういうと
「だって今日の昼休みは頑張って本読むのやめたじゃん?」
なんて言われてぎょっとした。
「み、見てたの!?」
「うん」
……即答ですか。
「でも誰にどう話しかけていいかわかんなかったって感じか」
図星を突かれて私は黙る。
「まぁ頑張ったと思うよ。後は話題と勇気だね!」
なんて他人事のように言われて、
あの昼休みの時の
惨めな気持ちが蘇ってきた。
「何よ、偉そうに。
見てたんなら何かしてくれてもいいじゃん」
咄嗟に出た自分の言葉にびっくりした。
人に何かしてほしくなんてなかったはずなのに。
特にコイツには。
それは彼も同じだったみたいで
「えっ、香乃子ちゃん助け舟欲しかった!?
……ごめんっ、気利かなくて!」
私のことを物理的に見下ろしながら言うその全てが
ひねくれた私には
上から目線でものを言われてるようにしか感じず、
ふと何かスイッチが入ってしまった。