「……へ?」


私の言葉の意味がわからないみたいで、

不思議そうに目を見開く。


その整った容姿に気さくな性格。

常に人に囲まれて

人気者の、桃井稜佑。


大嫌い、だったはずなのに――


自分の気持ちを打ち明けられる存在が出来てからも

素は出せない日々。

でもコイツだけは飾らずに接することが出来た。


調子者のくせにふとした瞬間影があって、

そこにはふみこめなくて。


かと思えば純粋に私のこと心配なんてしちゃって。


「コロコロ表情は変わるし、

わけわかんないことよく言うし、

やけに距離が近いし!」


いつだって気がつくと隣にいて。


人との距離が近いことが怖い私が、

稜佑との距離にはバカみたいにドキドキして。


「なのに、それが、いいとか思っちゃって……」


優しさも意地悪いところも

真剣な表情も

すぐ傍に居られても

全部、全部。