「山田さん、確認だけど、

俺が前に言ったこと覚えてる?」


唐突に始まった会話。


水野くんの言う『前に言ったこと』って――


「お、覚えてるよ。

水野くんは『離れない』って、

私に『君の光になりたい』って言ってくれた」


答えて様子をうかがうと

求められていたことを言えた様で。


「うん、そう。

その時俺は君の気持ちを知っていたし、

押し付けはしたくなかった。

だからとにかく俺なら傍に居ることが出来るって伝えたんだ。

桃井の気持ちがわからなかったからね」


その言葉に私は返事が出来ていないことは

前から考えていた。


いつか、自分の気持ちをちゃんと伝えなくちゃ。


そう思ってても、

『水野くんも大切な友達で関係をなくしたくない』なんて

都合よく甘えてて今日まできてしまった。


「水野くん、私ねっ!――」


はっきり言おう。

そう思って発した言葉に水野くんの声がかぶる。


「俺はっ、山田さんが笑っているならいいんだ!」