「え、稜佑?どういう意味――」


言葉の意味を問おうとすると、


「山田さん?」

先に廊下に出て待っていてくれた

水野くんの声が届く。


「……ごめんっ」


待たせたことに謝るのと同時に

稜佑はさっと私の横を通り過ぎてしまった。


本当は言葉の意味を聞きたかったけど

今は水野くんについていくことにした。


重い沈黙のまま彼が向かったのは、

図書室。


「今日の当番俺だから」


と鍵を開け、

まだ誰も居ない図書室へ。


「放課後開くまで後15分ある、

早く話を済ませようか」


含みのある言い方で

私に中へ入るよう促す。


恐る恐る誰も居ない図書室を進み、

適当な机に鞄を置いた。


水野くんも当番台に鞄を置いて、

こっちを向く。