今日最後の授業が終わると、
私は大きく伸びをした。
ここ数日、
稜佑のことでずっと心配な毎日だったけど、
今日のアイツを見てると、
クラスの人たちもすっかりいつも通りになって
外野も減ってきたし大丈夫そうで、
肩の力が抜けた。
「んっ……はぁー」
腕を伸ばし終えて力を抜くと、
目の前に
水野くんが立っていて。
「わぁっっ!」
「ごめん、驚かせた」
ゆるんで変な顔をしていたのを
見られたな、今……。
恥ずかしい!!
「ど、どうしたの?」
恥ずかしさでぎこちなく用件を聞くと、
水野くんは冷静に
「うん、今日放課後話したいから、
少し残ってほしい」
と告げる。
「へ……?」
放課後?話したいこと?
何の話だろうと返事をしっかり出来ないでいると
帰りのHRをしにきた担任が入ってきて、
「よろしく」
とだけ言って彼は席に行ってしまった。
……うう、なんかわけわかんないけど緊張してきた。