「じゃあ久良伎さんと榛名さんは彼らのクラスメイトというだけ。

山田さんは桃井くんの妹さんも含め知り合いだったというだけなのね?」


学年所属の女の先生にそう問いかけられて

私を含めた3人それぞれが頷く。


稜佑や伊東くんはそれぞれ個々に事情聴取。


麗佳さんは癇癪がおさまり次第、みたい。


あの2人の喧嘩、さらに他校の生徒の侵入の理由が

今回の聴取のメーンみたいで

私達はそこまで関わりのない生徒だと判明すると、

校内の生徒がもう少しばらけてから

まとまって帰るよう指示を受けた。


『桃井くんの妹さんに頬をぶたれたのは何故かわかる?』


途中でそう聞かれたとき、

私は答えることが出来なかった。


なんだか、先生達に自分たちの色恋沙汰を暴露するのは

いかがなものだろうという気持ちと、

『あなたのせいで』と麗佳さんが言ったとき、

自分がこの件にどのように関係しているのか

実ははっきりとはわかっていなかったから。


だって、彼女いわく、

稜佑が彼女を愛さないのは、

私という稜佑の興味を引く存在があるから。

だろうけど、

私いわく、稜佑への私への気持ちに確証もなければ

彼の態度を見ると、別に彼がどの女性にも
興味を引かれてなかったとしても

麗佳さんを愛したかどうかは、疑問だから。