最初は、何人かが

「何読んでるの?」

とか、

「あっちで一緒に話さない!?」

と、声をかけてくれていたのに、

きっとその時の私の対応がつまらなかったのか、

その後同じ人達からは話しかけられることはなかった。


そうして私は、
今ではクラスで完全に存在を忘れられてしまっている。


「いやあくまで全員友達ってスタンスの関係なのにさー

何か急に自分こそ彼女だみたいな喧嘩始まっちゃって!ある意味被害者俺よ?」

3股だのなんだのを友達から笑いながら責められたアイツが

必死に大声で言い訳をしていた。


本人は場を和ませてるつもりかもしれないけど、私にとっては大迷惑。


こっちは本読んでるから。

毎日ずっとうるさくて、
本当にいい加減にしてよ!!


……なんて、

私は話す相手もいないし、

実は元々本なんてほとんど読まないのに無理して読んでるせいか、

いつの間にかクラスから聞こえてくる言葉に1人で反応していた。


……我ながら、気持ち悪いかも。


特に、クラスメイトの桃井(ももい)稜佑に対して。

アイツはいつもクラスの中心。

会話も毎回聞こえてくるから、

いつもあの人とその周りの人たちの会話に、
私は1人ツッコミを入れている。