大きな声で話す麗佳さんの声は
ここまで聞こえてくる。
「稜佑、他の女と遊ばなくなったんでしょ!?
やっと私だけ愛してくれるのね!!」
嬉しそうに稜佑の胸に頭をすり寄せる。
「やめろよ」
稜佑はそんな彼女を
無理やり引き剥がす。
「え、どういうこと??」
美奈は全く事情を知らずに混乱してる。
紗依も多分、ただのブラコンとかって思ってると思うから、
よくわかってないように首を傾けた。
「あの生意気な香乃子って人にも
付きまとわれなくなったでしょう!?」
……聞こえてますけど。
「お前それ以上言ったら――」
稜佑の目つきが見たことないものに変わっていったと思うと、
「稜佑っ!やめとけって。
……麗佳ちゃんも、離れな」
慌てて駆けてきたっぽい伊東くんが稜佑の肩を叩いた。
「ちょっと!佐月さんには関係ないでしょ!?」
強気に伊東くんを睨む麗佳さん。
あの稜佑と、他校の美少女、
そしてもう1人イケメンが校門付近でもめてるということで
生徒の野次馬の数がすごいことになっていく。