「香乃子!不安に思ってることがあったら
いつでも気軽に相談してね!」
「うん」
「もっと頼ってほしいから遠慮はなしなし!」
廊下を歩きながら、
茜の元気な声に励まされる。
やがて昇降口で茜とは部活のため別れて
3人で校門へ向かって歩きだす。
「今日どっか寄って憂さ晴らしでもしちゃう?」
少しいたずら子っぽく笑う美奈に
いいね!、そう言おうとして、
やたら騒がしい校門に意識が奪われた。
「……どうしたのかな?」
小さい紗依はぴょこぴょこ跳ねて
何があったのか、気にする。
私も人が集まっていてそんなにちゃんと見えるわけじゃないけど、
あれは……――
「麗佳さん……」
どうして、ここに?
「えっ、誰々?」
美奈が面白そうに聞く反面、
紗依は眉間にしわを寄せた。
「行ってみよう」
ひとまず走って騒ぎの近くへ向かう。