自分の気持ちはもうわかってる。

それを伝えたのに、

相手にははっきり気持ちを教えてもらえないなんて。


こんなにも、不安になるんだ。


授業中、胸の痛みが響いて集中できない。


自分の悩みに、

何か違和感を感じていると思ったら、


そういえば私、水野くんに

私に対する稜佑と同じことしてる。


彼は返事はいい、傍に居るってわかってもらえればって言ってくれたけど

私、きっとこれからも水野くんを選ぶことはないと思うんだ。


それなら――


だけど、私が稜祐にそう言われたらと考えると感じる辛さを

水野くんに私が感じさせてしまうのは……嫌だ。


気がつけばお昼も過ぎて、

案の定ご飯はあんまりのどを通らない。


午後の授業で行われた小テストは散々な結果だった。


稜佑はいつ私への気持ちをちゃんと見つけてくれるのかな。


今日もしかして話しかけられる?

そう思って放課後までそわそわしてたけど、

結局一度も目が合わないまま、

稜佑は教室を出て行ってしまった。


「香乃子、帰ろうか」

席に座ったまま動かない私に紗依は話しかける。

「うん……」

心配そうな表情をする4人に

私は苦笑いをして席を立つ。