「稜佑、中途半端に女子と絡むのやめたみたいだよ。
山田さんのおかげかな」
優しく話しかけられると
そう思いたくなっちゃうけど、
きっとそれは違う。
「ううん、私じゃないと思う」
昨日あったことを大まかに小声で伝えると
「え、稜佑が……?」
目を開いて驚く伊東くん。
彼にも伝わってないなんて。
「俺も何も聞いてないし、
多分稜佑自分でも全然わかってないんだろうね。
……多分急に山田さんの本当の心境がわかって
びっくりしてるだけだと思うよ」
紗依達にもそう言われたけど、
なんか違う気がするんだ。
だってびっくりだったんなら、
最初話していた時に
そういう反応になるはずなのに
稜佑は最初喜んで触れ合ってくれた。
きっと、私が発した言葉の何かが
変に彼に響いてしまったんだ。
私、きっと、何か大きな勘違いしてるみたい。