さっきまでの明るい雰囲気は
いっきに吹っ飛び、
私は思考が停止する。
「稜、佑……?」
「……ごめんっ」
急に怖くなって一歩近づくと
比例して稜佑は一歩後ろに下がる。
そのまま、背中を向けられて、
「一回頭冷やすわ。
なんかごめん……」
曖昧な言い回しだけど、
何が言いたいかはっきりわかる。
私、拒否されてるんだ。
なんで?
私何がいけなかった?
私のこと、大切って思ってもらえたんじゃなかったっけ?
キツい言い方しないように
たくさん気をつけたのに。
遠ざかっていく稜佑は
一度も振り返ることなく
消えてしまった。
1人ここに残されるのは
初めてじゃないけど、
こんな張り裂ける痛み、初めてだよ。