生徒たちの帰る流れが少し離れたところに出来ている。


誰もここまで足を運ばないため

遠くでざわざわしてるけど静か。


私は息を吸う。


そして、


「あのねっ!

前に稜佑私と居たいって言ってくれたよね。

でも触れられないなら無理って。

……私、稜佑も知ってる過去があるよ。

それで他人との物理的な距離が近すぎると

いつも怖かった。

だけど、稜佑だけは違った……ううん、

稜佑だけは大丈夫になったの。


私も、稜佑と居たい」


この間はうまく言えなかった自分の気持ち。


だけど、稜佑が誰かに愛されたいこと、

満たされたいことを知ってからは

私がそれを担いたいってはっきり思えた。


「香乃子、ちゃん……」


「稜佑が好きなの。

私は現在進行形よ。

アンタは?」


びっくり顔の稜佑に笑ってみせる。


なんて、答えてくれるんだろう……。