あっ、掃除終わってる!!


私がそう気づいたときには

稜佑は無言で横を通り過ぎていて。


「稜佑、待って!」


私がそう呼ぶと、

相変わらず変わらない表情で

「何?」

と足を止める。


「あのね、話したいことがあるの。

時間いいかな」


「話……?何?」

ぶっきらぼうにそう聞かれても……。


「ちょっとここでは話しづらいよ。

場所変えよ?」


私の提案に一瞬ピクリと反応して

「平気なの?」

高圧的な態度で聞いてくる。


「大丈夫、怖くないし気分悪くならないから」


何に対して『平気』なのか問われているかすぐわかった。


そう伝えると

稜佑の表情が驚いたように私を見た。


そんな彼を先導するように

私は歩き出す。


それに稜佑は無言で着いてくる。


「ここで」


何かあると2人で話した廊下奥。