頭の中でひたすらそうぐるぐると悩んでいると、
紗依がこっちを向いたことに気がついた。
慌てて私も焦点を戻すと、
「やっぱりさ、みんなで帰ろうよっ」
控えめに私と茜達を交互に見て紗依はそう言った。
茜と美奈は少しびっくりして、
その後バツが悪そうに無言。
「ねっ!?香乃子も――」
その表情が、視線が、耐えられない。
「いいっ!!私1人で帰るからさ!
これからずっとそうでもいいよ!
紗依もさ、今まで無理に私に付き合ってもらってごめんね」
涙で視界が霞みながら
笑顔を作って
紗依にそう伝える。
「…………」
無言の3人の横を通り過ぎて、
教室を出ようとして、
いつも聞いてた声の
聞いたことない声量が耳に届いた。
「――もう!本当、いい加減にしてっ!!」