「う、うん……そっか」
私は紗依に心配かけまいと思って、
何も言わないのに。
どうしてそんなに納得のいってない顔をするの。
私は広げたお弁当箱の卵焼きとご飯を数口食べて、
箸を置いた。
既にお腹いっぱいな気がして、
味もよくわからない。
もう、いらないや。
このイライラは空腹のせいなんかじゃない。
私が勝手にもどかしさを感じてるだけだ。
「席、戻るね」
それだけを伝えて席に戻る。
まだ重たいお弁当箱を鞄にしまって、
机にうつ伏せて、寝たふり。
誰の顔も見たくないし、
誰にも話しかけてもらいたくない。