『付きまとわられる』
さっきそう聞いてから不安な気持ちが芽生えてるけど、
まだ今日の学校も残っているのに
心配してもしょうがないよね。
お昼休みになると、
もう恒例となりつつある、
「紗依、今日も私たち……」
茜と美奈からのお昼別の提案。
紗依は無言で苦笑い。
今日もか……。
そう思って私も紗依とお昼を食べようと席を立つ。
茜達も教室を出るところで、
「山田さん、昨日――」
声をかけられて振り返ると、
伊東くんの姿が。
咄嗟にドアの方を見ると
茜の悲しそうな顔。
「あ、私!ちょっとさっきの授業で質問あるから
先職員室行ってくるねっ!」
教室を駆け出して、
校内を適当にぶらつく。
だけどこの時間当たり前だけどどこもがやがやしていて。
静かな場所に行きたくて、
ふと着いた図書室のドアを開けた。
「……水野くん」
済ました顔で本を読んでいる水野くんが
カウンターの内側に座っていた。
私の声に気づいてくれたのか、
彼は急いで顔を上げる。