……そういえば、
『友達欲しいなら、休み時間本読むのやめたら?』
なんて、朝のアイツの言葉を思い出したのは、
今、昼休みになってだった。
読書をやめて誰かに話しかける、かぁ。
少し挑戦みようかな……。
なんて気持ちが奥底で芽生えてるのがわかる。
結果アイツの言うことを
聞くことになってしまうのは癪だけど、
自分でもいくら本が好きでも
この現状は打破したいから。
そう思って読んでいた途中の小説にしおりを挟んだ。
「………………」
教室にいるクラスメイトは
各自それぞれのことをして賑わっている。
誰かに話しかける、
そう決めると急に緊張してきた。
誰に、しかも何の内容で、どうやって、きっかけは、
……逃げへの言い訳に近い喉の渇きを覚えて
私は席を立った。
財布を持って1階の自販機に向かう自分は
なんだかすごく滑稽に思えた。