……誰?


顔をあげて確認しても、

知らない人。


「はい……なんですか?」


何の用かな?

なんて思っていると、


「えっ、ちょっと……!?」

「まあまあ!」


手を引っ張られて階段の踊り場へ。


「山田さんって、桃井と別れたってホント?」


数人の男子生徒が居たそこに立たされると

にやにやと私を連れてきた人にそう聞かれる。


「えっ」


状況も良くわからない上に

質問の内容が意味不明。


「桃井今まで頑なに君の事ガードしてたのに

急になくなったからさ、別れたのかなってー」


「それなら俺とかどうっ!?」


顔を急に近づけられて

思わず後ろに下がる。


『ガード』って何?


「いっつも山田さんに声かけようとすると

決まってあいつが山田さんの隣に来てさー、

ぶっちゃけ邪魔だったんだよね」

「だよなー!!」