「水野く――」



「俺は離れない」



スカートの上で

強く握っていた拳が

彼の少し大きな手で覆われた。


熱のこもる瞳に


また視界が霞んだ。



「君にどんな過去があろうと、

一緒に乗り越えたい。


山田さん、君が俺に光をくれたように、

今の俺でも素敵なんだって

誰かと繋がっていいんだって教えてくれたように


俺も君に光をあげたい。

相性の合う、離れない人になりたい。


――山田さんが、好きなんだ」


私の手を覆っていた

彼の手に力が入る。

熱がこもって汗をかいている。


水野くんの気持ちが伝わる。


だけど、


私は――