教室にはまだまばらに人がいて、
少しの間ドアに寄りかかって
しゃがむ私を
クラスの人たちが心配そうに見るものの
私が突き放すようなオーラを出してしまったのか
特に何も言われないままみんな帰ってしまった。
掃除に行った紗依に会えるかな、
なんてとりあえず
落ち着くのも兼ねて
窓際の誰かの席に座ってぼうっとしてみるけど、
紗依の机にはもう鞄がないのを見て
掃除場所から直接帰っちゃったんだろうなぁって。
教室に完全に1人でいるのを理解すると、
それと同時に涙が一気に溢れ出す。
止めようもない勢いで
頬をつたい、
スカートに零れ落ちて染みになる。
その染みを働かない頭で
ただなんとなく見ている時、
教室のドアがガラッと音を立て開いた。
「っっえ!?」
よく知っている声の聞こえた方に
顔を向けると
「香乃子ちゃん……」
そこに居たのは、
びっくりした顔の稜佑。