――紗依と昨日話してわかったこと。


私が1人で考えて悩んでいることは

当たり前のことだけど周りの人にはわからない内容で、

理由はわからないのに私の反応が変だと、

何かあったのかと心配させてしまうということ。


だから話してみようと思うんだ。


みんなに、今の私の悩んでいる気持ちを。


そしたら、今感じてるもやもやも

稜佑の周りの人に嫉妬しちゃう感情の正体も。


登校しながらそう考えて

昼休みあたりにでも、なんて思って教室のドアを開ける。


いつも通りがやがやしている教室の真ん中には


たくさんの人に囲まれている稜佑の姿が見えた。


女の子に腕を絡まれているのを見ると

その様子が見たくなくて

教室に入ろうとした足が止まる。


目を下に伏せ後ろに1歩下がろうとすると


「わっ」


誰かに当たってしまい、

咄嗟に後ろを見ると


「……伊東くん」