その美女は稜佑に近づくなり、
腕を絡ませた。
「遅いよ、今日約束してたじゃん!」
背の高い稜佑と並んで
バランスのいい身長差。
スタイルのよさと顔立ちのよさも比例して、
なんかこの2人だけ
別世界の人って感じ。
「おい麗佳-レイカ-、離れろよ。
何でお前がここにいんだよ」
焦ってる様子の稜佑に
ふと考えが浮かぶ。
もしかして……。
「てかこの人邪魔なんですけど、
私達これからデートなんで」
ほら、やっぱり。
……稜祐の恋人?でしょ。
「もしかして稜佑、
また浮気してたの!?」
この高めの声、
前にも似たような声を聴いたことがある。
そうだ、あの電話の女性。
「あー、ごめんなさいね、
せっかくの恋人同士を邪魔しちゃって。
私別になんでもないんで、
どうぞごゆっくり」
私は早口でそういうと
足を速めて1人で駅に向かう。
何だ、
やっぱ不純だよ。
彼女いるんじゃん。
何なの、本当、もう。