でもこのままみんなと合流したら、
少なくとも美奈に会ってしまうんだよね……。
何で稜佑に押し倒されていたのか、
聞いていいのか、悪いのか。
もし2人が好き合っていても、
私には関係ない……はずなのにな。
「ゆっくり行こうか。
みんなも心配してこっち来るってメッセージで言ってるけど、
教室で待っててもらおうね」
その言葉にも無言で頷く。
とりあえず
男女が2人、横になっている場面さえ見なければ大丈夫。
紗依も茜も居てくれるし、
美奈だって、普通にしてくれるよね。
「水野くん……」
事情を唯一知っている彼にも居てほしくて
横を見ると
「うん、俺も戻るよ」
と優しく微笑んだ。
私、水野くんに助けてもらってばかりだな。
「ありがとう」
たくさんの意味をこめた感謝の言葉、
伝わったかな。
その空気のまま3人、
私に合わせたゆっくりな速度で教室に戻る。
そこには茜と美奈と、稜佑の姿があった。