「そ、そうそう!あはは!
あっ、私ちりとりとって来るねっ!」
きっと顔が赤いのをごまかすために
ちりとりを取りに
教室へ向かう。
片手でほうきを持って、
片手で手を仰いで
そこまでこない風を顔に当てた。
何、意識してんの、私。
理由のわからない恥ずかしさでいっぱいになって、
息を大きく吸う。
よし、深く考えるのやめ!
なんて思いながらドアの前に着き、
一度手を止めて
ドアを開けた――時、
ガタッ、ガガッ ガラッ
机を引きずった音と
私がドアを開けた音が教室に響いた。
目の前の光景に頭が真っ白になる。
「……っっ!香乃子!?」
「――ぇ、香乃子ちゃん……!?」
…………え、何これ。
え、嫌だ、
何で、
待って、
やめて、やめて!!!
「香乃子っっ!?――」
後ろから美奈の声が聞こえたような、
そうじゃなかったような。
気づいた時には
私は廊下を全力で駆けていた。