床を掃きながら思ったことは、

本当に私も水野くんも

たくさんのことが変わったな

ということ。


私と友達になってから

水野くんは結構色んな人に

勇気を持って話しかけてるみたいで、

教室でも今までみたいな

閉じこもってる空気が全くなくなった。


私も

みんなと友達になってからは

後は稜佑とも教室内で

まあまあ普通に接するようになってからは

彼経由で話せた人なんかも増えてきて。


自分のことも水野くんのことも、

なんかとても嬉しいな。


上機嫌でごみを集め終わると、

既に集め終わっていた水野くんが

私をじーっと見ていたのに気がついた。


「……ん?」

どうしたの?というように聞くと、

私の頭から足先までを

流すように1度見て、


「桃井には勝てなかったな」

とぼそっと言った。


ああ、そうか。

水野くんはあの場にいたから

賭けの事知ってるもんね。