そんなことを考えて

ぼうっと掃除ロッカーまで足を進めると、

先客が1人。


「あ、水野くん、私にもほうきとってもらっていい?」

掃除の班が一緒で

今まさに始めようとしている水野くんだ。


「はい」

「ありがと!」

そういって手渡されたほうきを持って

一緒に廊下へ行く。


廊下に出ると

少しもわっとした空気。


「なんか湿気すごいねー。

もう梅雨かなー」

私が何気なく話しかけると

廊下の窓から空を見上げて

「例年的にはそろそろだと思う」

と返してくれる。


他にも後3人がやってきて、

淡々と廊下の掃き掃除をする。


それでもそこまで広くもなく

あっという間に終わると、

週はじめに

1人の男子が言い出した

『ちりとりじゃんけん』に

今日は私と水野くんが負けてしまった。


「お、じゃあ後は水野と山田、よろしくなー」

「お願いしまーす!」

そう言って勝った人たちは

先に教室にほうきを片しに入った。


負けた私たちは

どちらからともなく、

苦笑いして、

各自集めたほこりを一箇所へ。