「それが楽しいんじゃん!

明るくて社交的で

何でもさらっとこなせておしゃれで。

絶対完璧な彼氏になると思う、うん。

まあ……彼と付き合った場合浮気は怖いけどね」


春先にあった3股事件とかね。

みんなもその話しは知ってるらしく、

最後の美奈の言葉に、確かに、

なんて苦笑い。


「うーん、そっか。

今までは香乃子と桃井くんってペアだったけど、

香乃子が全く彼のこと眼中にないなら

私狙ってみようかなっ」

そう言って美奈は稜祐の方を見た。


え、美奈今までの話、

結構本気で言ってたの?


「あはは、無理だってー!!」

「そ、そんなことないって!」


目の前では茜と美奈が

楽しそうに言い合ってる。


私は、

「……っりょ――」

稜祐はやめておいたほうがいいよ!

そう言おうとして、

予鈴がなった。


「わあ、もう休み時間終わりか!

次は数学だー、寝ちゃうよ」

「寝ちゃったらノート写させてあげるよ」

「紗依、茜甘やかしちゃダメだってー!」

みんなはなんでもないように

解散して次の授業の準備を始めた。


私も体は動かしつつ

だけど頭の中では混乱していた。



……今、私、


なんであんな事言おうとしたの?