「えっ!」

急に自分に話題が変わって

びっくりしてる美奈の代わりに

茜が口を開いた。


「良い感じの男子に

連絡先聞かれたら一応教えてるみたいよー。

でも選り好みし過ぎだと思うけどねー」

と、

一途に伊東くんが好きな茜は

机にひじをつきながら

自分とは正反対の美奈を横目で見る。


「だって……!

中学までは部活バリバリで

恋愛どころじゃなかったんだよ!?

せっかく高校入って

身なりも好きにできるようになったんだし、

リア充になりたいじゃない!」


必死に弁解する美奈がおかしくて

つい笑ってしまう。

いつもは大人っぽいのに

こういう子供っぽいような

一生懸命さが可愛いんだよね美奈は。


「どうせならさ、

それこそ桃井くんみたいな、

ああいうイケメンとお付き合いしてみたいって

思うでしょ?ね!?」

私の方を向いてそう言われても……。


「稜佑と付き合うとか大変そうじゃん」

あんなにしつこくて、

周りには女子もいつも居て、

気分の浮き沈みが激しくなりそう。