なんでこんな、私の話になっちゃってるの!?
まだ昼休みは終わらないの?と
時計を見ると、後10分をきっていた。
「とにかくさ、はっきりさせたいのは、
香乃子は桃井くんのことどう思ってるの?」
まじめな感じで、
でも少し楽しそうに耳を傾ける3人。
そんなこと聞かれても、
私の返事は決まってるんだから。
「あんな奴絶対好きになんかならないわよ!」
はっきりとそう答えると、
茜と美奈は
あからさまにつまらなそうな顔をした。
「ちょっと!面白がってるでしょ!」
「えー、そんなことないよー」
「そうそう、香乃子の恋路を応援しようとしてるだけだよー」
なんて、思いっきり笑いあって、
はしゃいで、
私は好きな人なんか居なくても、
この瞬間が、みんなが大事なんだよ。
「なんか、今のは無意識に
香乃子が自分に言い聞かせてるような言い方だなぁ」
ふざける茜と美奈と笑いあっていた私は
紗依小さく言った何かを聞き取ることができなかった。