「まあ彼だし。あれくらいは普通でしょ」
あっさりと答える美奈は
何なのか、感覚が麻痺してるのか。
「いやいや、絶対有り得ないけど、
もしアイツが私の事好きならあんな風に他の女子と
べたべた話さないでしょ!」
ああいうのを見ると、
改めて私が特別でもなんでもないことを自覚するし、
やっぱり『面白いから』って絡まれてるんだってわかる。
「あれあんなにべたべたしてるかなー」
「香乃子、それは嫉妬なんじゃないの?」
面白そうににやにやする茜と美奈に
顔がカーッとなる。
え、嘘、嫉妬??
あんな最低な奴に対して?
「違うってー!紗依ー!」
紗依に助け舟を求めると、
私の頭をよしよししながら、
でも少し困ったように
「うん、でも桃井くん、
中学のときに比べたら全然女の子と一緒に居ないよ
さっきみたいに、男子に絡まれてる女の子心配するなんて
今まで一度もなかった気がする」
……それ2人の言った稜祐が私に脈あり、みたいな
有り得ない設定裏付けちゃってるじゃん!