「私はいいかな」

まだ、そういう気持ちにはなれないしね。


そう伝えると、

あからさまに残念そうな顔をする美奈。


「確かに、香乃子には必要ないかもねー」

茜はどういう意味か、そんなことを言った。


「え?何で?」

納得いってなさそうに美奈は茜に食いつく。


私も先に美奈に言われちゃったけど、

何でなのか気になる。


すると、茜は

さも当然かのようなトーンで


「だって桃井くんがいるじゃん」


なんて。


「あー、そっか」

美奈も納得しちゃったけど、

なんで稜佑!?


「え、ちょっと待って、意味わかんない!」

私が慌てると

「今更何言ってんのー」

と微笑まれる始末。


「桃井くんの香乃子への構い方は

絶対特別だよね」

「うん、香乃子が好きっぽいんだよね、あれ」


……いやいやいや、ないから、本当に。


だってあれだよ?

「無理だって!ほらっ!」

私は稜佑を指差す。


だって女の子とめっちゃ楽しそうに話してるじゃん!