「そうでしょ!

だって何人かに声かけてもらえるってことは

私も捨てたもんじゃないはずっ。

だったら一緒に居る人もふさわしい人がいいでしょ。


……男はブランド、なんだから!」


生き生きと語る彼女は

どうにも止められそうにない。


『男はブランド』

その思考はどうかと思うけど、

こういう胸張った自信っていうのは

同じ女子としてかっこいいな。


「美奈のそれって結局外見重視って事じゃんー」

ちゃんと相手の内面を見て

それで恋って成り立つものじゃん、

そう言って、茜は美奈の意見に不満そう。


でもそんな茜に

「……茜だって伊東くんのこと、

最初は顔でかっこいいって気になり始めたくせに」

なんて意地悪そうににやつく美奈。


「まぁ恋愛は人それぞれだし、ねっ」

2人の間を取り持つように

慌ててまとめる紗依。


恋愛かー。

……まだ、少し怖い。


『あの時』みたいな、

恋愛と言えなそうな男子のぎらつく視線。


「ねっ、香乃子も私と一緒に

良い男子GETしようよっ」


うーん……。