「確かに男子は、特に男子中学生なんて幼稚だよねー」
美奈が呆れたようにため息を吐くと
「ふふ、確かに」
少し眉を下げながらも紗依が同意する。
「おーい、稜佑!パン買って来てくれたー!?」
クラスの奥のほうで
稜佑といつもいる男子たちが彼を呼んだ。
……なんだよ、
その大量のパン、自分以外の分もあるんじゃん。
「おー!今行く」
大きな声でそう返事してから、
「とにかく、香乃子ちゃんは自分の可愛さを自覚すること。
むやみに男子に近づいちゃダメだよ?
男は単純で馬鹿な生き物ですから」
稜祐は自分の言葉にうんうんと頷いて、
たたっと向こうに行ってしまった。
「何あれ、単純で馬鹿って自分のことじゃんね」
私がそういうと、
みんな「はは……」と苦笑いなものの
誰も否定しなかったのが面白かった。
……というか、
『自分の可愛さを自覚する』?
そんなのそう思えるわけないじゃん。
まあ、この格好やめればいいのかな。